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旅に出るのに、理由はいらない。

コンドルのいる動物園、シルクロードの寝台列車、マルタで過ごしたひと夏。海外30カ国・国内の旅行記と、旅についてのあれこれを綴ります。

トロイの遺跡でのんびり日向ぼっこ。シュリーマンの『古代への情熱』に思いを馳せながら…

 チャナッカレからバンで数十分、私たちG-adventures一行は、かの有名なトロイ遺跡にやってきました。

出迎えたのは、トロイの木馬のレプリカ。

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足の部分が階段になっていて、胴の部分の2階、背の部分の3階になっています。もちろん登ります。左が私で右がマリア。

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木馬の奥に進むと、ここから遺跡がはじまります。

CEO(G-adventuresのツアーガイド)のデニスが、遺跡の概略を説明中。

トロイは紀元前3000年から5世紀末にかけて繁栄と滅亡を繰り返した都市。

この地であったとされるトロイ戦争を題材にして書かれたのが、ギリシャの詩人・ホメロスによる『イリアス』。イリアスによれば、女神たちの争いによってそそのかされたトロイの王の息子パリスが、スパルタ(ギリシャ)の王妃・ヘレネを連れ帰り、ヘレネを取り返すためにスパルタがトロイを攻め落とそうとして、トロイ戦争が10年続いたといいます。そこで、スパルタが巨大な木馬の中に人を忍ばせる奇策「トロイの木馬」をしかけ、スパルタ陣営が撤退したと油断したトロイは、木馬に潜んだ兵士に一夜にして陥落させられた、というお話です。

このトロイ戦争、長らく史実なのか創作なのかわからないとされてきましたが、ドイツの考古学者・実業家のシュリーマンがこの地で1873年に「プリアモスの財宝」を発見したことで、トロイと言う都市が実在したことが明らかになったとのことです。

(ただし、トロイの木馬作戦は史実かどうかはわかりません。それも含めて、どこまでが事実でどこまでが伝説か分からないミステリアスな部分も、トロイ遺跡の魅力なのかもしれません)

 

立派な石垣!トロイに攻めようとする外敵を侵入させない、堅い守りの一助を担っていたのでしょうか。

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トロイはこの地で繁栄と滅亡を繰り返したため、遺跡は9層もあります。どの部分がどの時代の遺跡だったのか示すのが、下の写真の番号札です。

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このトロイ、都市の遺跡ではありますが、土台しか残っていません。建造物に当たる部分はほとんど崩れてしまっています。

 

遺跡の真ん中で、柵の上で日向ぼっこするにゃんこ。私もしばらく、近くで一緒にのんびりしました。

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にゃんこの傍で、ふと遺跡の外を見たら、遠くに畑と小さな町が見えました。のどかだなあ。

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アテナ神殿の、模様が刻まれた石。

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劇場!ここでも、しばらく石段に座ってのんびり。

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f:id:tabinideru0:20150527235016j:plain崩れた遺跡と自分の陰。

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崩れた石垣の山をリスが駆け抜けていきました。

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木陰で休む。古代の人も、こんな木の下で涼んでいたのかしら。

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 ギリシア文字が刻まれた石と、名も知らぬ花。

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失われた遺跡に咲く雑草って好きだなあ。諸行無常の切なさと、いつも新しくめぐる季節の新鮮さ、どちらもあって。

「夏草や 兵どもが 夢の跡」なんて芭蕉の句を、まさかのトルコで思い出しました(笑)

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再びのにゃんこ!人懐っこくて、こっちに寄ってきてすりすりされた。

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私たちは、たくさんの団体旅行客が足早に通り抜ける中、ゆっくりゆっくり遺跡の中を散歩しました。G-Adventuresはツアーなのに、個人旅行のように自分のペースで旅ができるのが良いところ。

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トロイは歴史の土台部分を除いて都市の痕跡はほぼ残っていないので、「何もなくてつならない」なんて言われることもありますが、ここでゆっくりした時間はとても良いものでした。

私はシュリーマンの自伝『古代への情熱』を18歳の時に読んで感動したので、トロイにはいつか行ってみたいと思っていたのです。ざっと内容をまとめると、ホメロスの『イリアス』にのめり込みトロイはあると信じた少年時代に、いつかトロイを発掘すると決め、まず世界各地で事業を興し資金を溜め、語学も勉強しまくり、トルコに渡った彼はついにトロイをみつけました。まあ『古代への情熱』を読んだ数年後にシュリーマンは第一発見者じゃない、考古学に精通していない彼は発掘の中で遺跡を破壊した、自伝の一部は本当か怪しい、などと知ってがっかりもしたのですが、『古代への情熱』でシュリーマンが遺跡を発見するくだりは、天空の城ラピュタにおける 「すごいや、ラピュタは本当にあったんだ」くらいの昂揚感はあり、一人の男のサクセスストーリーとして胸躍るものがあります。もしトロイに行かれることがあったら、おすすめしたい一冊です。

 

 シュリーマンの古代への情熱に思いを馳せながらトロイを満喫したあとは、海沿いの町・アイワルクに向かいます。